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組織開発研究会

企業のトリビア募集

ISO31000 リスクマネジメントにおける組織文化への言及

企業の不祥事が続いている。最近では。東芝、VW、東洋ゴム、旭化成建材などである。

2000年の雪印の食中毒事件では約15000名の被害者が出た。関係会社が関与したことだが、同じブランドをかかげ、資本、取引及び人事に関わっていれば、たとえ子会社ではなくても実質として一体の組織としてみなされる。よって旭化成建材が素材から偽装していたので完成品検査ではわからないというのは、旭化成としては理由にはならないであろう。

ISO 31000 :2009(以下ISO 31000)では全てのスティクホルダーとの関係について言及している。三井不動産と旭化成の取引に関するガバナンスの形態は不明であるが、最も配慮すべき消費者に対する責任は免れない。リスクマネジメントは法的な問題だけではなく、道義的責任も含め問われるのは常識化しつつある。

「MBAのリスクマネジメント」(2002年 PHP研究所 宮川雅明他共翻訳)でもリスクマネジメントの5つのエクスポージャーの一つに、道義的責任エクスポージャーを実体として指摘しているる。

東芝は1562位億円の利益隠しを行った疑惑に問われているが、42億株が150円値下がった時点で、6300億円の損害が生まれている。

VWにいたっては、米環境保護局(EPA)の制裁金2兆円に対し、既に8兆円を準備していると聞く。

雪印は食中毒事件の後、牛肉偽装が発覚した。東洋ゴムも同様に2回目である。マクドナルドも期限切れ鶏肉以外に過剰料金徴収、異物混入と続き、131店舗の閉鎖を発表した。

 

リスクには多様なハザードとそれに関連したエクスポージャーが存在するが、自然災害と除けば、多くは人的エクスポージャーである。ISO 31000の原則では、人的・組織文化の要因も対象とすることを明記している。

東芝では、社外取締役として学者や上場企業経営者なども名を連ねていたが効果はなかった。4事業の利益操作を経年行っていたにも関わらず気づかなかった。監査報告を信じたのかもしれないが、実体は形骸化しているということを改めて立証したことになる。

2002年SOX法のきっかけとなったエンロン事件においても、社外取締役などのコーポレートガバナンスの取り組みは行っていたが形骸化していた。東芝は新たなに社外取締役など取締役会を刷新したとしてもその効果が持続するのかどうか不明である。

ISO31000が原則の一つに組織文化へ言及したことには大きな意味がある。形だけ整えても実態は別である。組織文化とは行動様式であり、習慣によって蓄積された暗黙的仮定であるからだ。

談合を集団カンニングと理解するのであれば、検査結果などを偽装するのはより悪質といわざるをえない。談合が業界としての維持を目的としているとすれば、検査結果の偽装は、根本から消費者をだます意図がある。これは試験で良い成績をとり、或いは合格すればカンニングを行っても良いという発想と同じように思える。

消費者の安全(例えば、マンションは生活の場であり命を預けている場である)より利益を重視していると表明しただけである。顧客より内部組織に偏った共依存の心理状態である。

問題の本質は、アイデンティティにある。発達しきっていないことにある。私は組織におけるそれを組織アイデンティティと呼んでいる。

コーポレートガバナンス・コードが施行されたが、形ばかり整えたとしても問題の本質には全く刺さっていないのではないか。よって、結果は変わっても同種類の問題が新たに発生する。

損失金額を考え不正はやめようというのは本質的な議論ではないのであるが、今の出来レース取引経済社会では、父性原理を施さないと駄目なのかもしれない。お金の問題ではなく、精神の問題であり、パトス(良心)の問題である。

組織開発研究会として、リスクマネジメントは大きなテーマの一つとして取り上げていきたい。

*話題となった各企業にはいち早い信頼回復と更なる成長を期待したい。

 

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