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組織開発研究会

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TCMの取組みと改善度の関係

 TCMとはタイム・キャピタル・マネジメントの頭文字をとったプログラムである。成果を変えるリザルツ・イノベーションとして、戦略的目標設定を行い、全社的資源配分を事業部または部門単位でブレークダウンする取組みである。各部門長が事業部戦略や部門戦略を発表する。中期経営計画にリンケージしているので、組織を見直しもこの領域に入る。

 プロセス・イノベーションは、その配分に基づき、業務のプロセスをリデザインする取組みである。一言でいえば改善である。

 マインド・イノベーションというのは、一人ひとりの時間意識や行動習慣を変えていくプログラムである。

 組織開発でこだわっているテーマの一つが徹底実践である。そもそもホワイトカラーやナレッジワーカーの生産性の本質は、戦略などの中身ではなく、立てた計画に対し、組織員が共感し、信念を持ち、そして迷い無く実行する程度を測るべきものであると考える。

 

 下図はある企業をモデルに作成したものである。12の事業部または部門で測定した。12の内、5つが営業系つまり事業を営んでいる組織である。管理系(本社機能、生産管理など)が3部門、研究、開発、設計などが3部門、物流系が1部門である。工場は対象に入れていない。

 

 TCM取組密度というのは、部門によって多少異なるが、フレームワークは最初に紹介した3つである。リザルツ・イノベーションであれば、戦略や計画に対する共感の度合い、資源配分の戦略性などである。プロセス・イノベーションは改善への取組みであり、改善目標値である。マインド・イノベーションとは、労働時間、計画達成度、役割意識などである。

 

 

 改善度というのは、改善前と後の比較である。リザルツ・イノベーションであれば、機能別資源配分の比較結果である。この機能或いはプロジェクトにこれだけの資源配分を計画し、その結果を比較する。プロセス・イノベーションであれば、業務時間、業務プロセスなどの比較である。マインド・イノベーションであれば、週間業務計画における飛び込む業務(非計画業務)の改善度や課題解決業務への優先度などを測定する。ちなみに、事業系・営業系の部門では、売上目標との比較は行っていない。先ずは計画の達成度を評価した。行動の変革を組織開発では求める。景気などでどうしても左右される結果評価は別途とする。

 

 この結果を見ると、12部門中10部門が100%以上の改善度を達成していることがわかる。ちなみに、最も低い部門は物流系である。最も後工程に機能であり、改善するにも他部門や協力会社との連携が必要になるので、主体的に進めにくい傾向があるものと推察する。

 

  ちなみに、ナレッジワーカー系の改善活動は元に戻る傾向が強い。TCMによる取組み成果をフォローしてみてきたが、基本的には元に戻る傾向は少ない、逆に改善度が進む傾向もある。単に改善活動を行う取組みではなく、一人ひとりが目的を理解、納得、共感するプロセスを組む込むことで組織文化を醸成していくことが伺える。

 このモデルとなった企業は、労働時間が減少し、業績もアップした。

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