プロトタイプの完成度
20年以上にわたり、新規事業開発の支援を行っている。うまくいかない活動には幾つかの共通点があるように思える。以下は、ディスカッションの要約。
1.多様な顧客へのテスト不足
・プロトタイプには3段階があるが、2段階目の仮想プロトタイプが不十分ではないか。顧客にもいろいろある。既にお付き合いのある顧客へのヒアリングを否定する訳ではないが、大概は想定範囲内。よって、気づきがない。関係を広げていく行動力に欠けるような気がする。
2.プロジェクトメンバーだけ
・最初は特定のメンバーで形創っていく中で、このプロジェクトは特定メンバーだけがやるものという意識になる。すると、プロジェクトメンバーは既存組織の中で放置された、切り離された感覚に陥る。応援団というのは大切でメンバーが所属する組織の応援が必要だ。そして全社的な動きにしていくことで新たなメンバーや知恵も加わってくる。こうしたダイナミズムが必要だ。
3.できない理由やべき論が飛び交う
・どうしても計画を緻密に、準備を完璧にしたがる傾向がある。新規性の高い事業の90%はその通りにはいかないことがわかっている。実験を繰り返しなが不確実性を狭め、学習をし、前進していく。Causationにこだわりすぎるとやる気を失い、事務作業に陥る感じがする。